大自然からの贈り物の話 真生ミネラルしおキャベツ・塩キャベツ誕生物語
9月の末超大型の台風18号が九州西海岸を直撃して不知火海(しらぬいかい)沿岸は壊滅的な被害を受けました。特に海水位が満潮だったので気圧の影響を受けて干拓地を取り囲む堤防の高さより2メートル以上もこえる滝のような高潮が猛烈な勢いで襲ってきました。不知火海を挟んで対岸の不知火地区では、住居が高潮に襲われて、子供とお年寄りの10人以上の人達が亡くなるというような悲惨な状況でした。勿論、不知火干拓も死者こそ出ませんでしたが、へどろ混じりの海水が全てを呑み尽くしてしまいました。 住居は、畳の上までドロドロの塩水に浸かり、家具類は散乱してどこから手を着けていいか判らない状況でした。高潮が襲って来た時は必死に家族で逃げるだけで精一杯で何も持ち運べませんでした。あっという間の出来事でした。そして、農業機械類が全て塩水に浸かり、殆んど全滅に近い状況でした。更に、一番深刻な状況は農地一面が海水に沈んでしまった事でした。 9月の末ですから、九州では稲刈り前です。広大な面積の稲穂が広がっていました。畑のキャベツなどの野菜達も順調にすくすくと育ち、干拓地一面グリーン地帯が広がっていました。それらが一瞬にして高潮に呑込まれてしまいました。被災後、二日目、三日目と日を追うごとに稲は褪めた灰褐色に染まって行き、キャベツは緑色が無くなり、まるで塩もみの漬物のようになって行きました。何をどうしていいのか、呆然とキャベツ畑を見ていた時の事を今でも鮮明に憶えています。 農水省の調査によると、このように海水が農地に入ると塩分が土壌中にしみ込み作物が出来るようになるには、最善でも2年から3年は掛かるということでした。従って、早急に除塩事業をする必要がありました。しかし、色々な調査等の理由で早急には進みませんでした。結局、本格的な除塩事業は翌年の春から始まりました。海水に浸かった農地の表面の土を剥ぎ取り、新しい土を入れるという除塩作業です。しかしこれとて、国の変な規制があり稲の作付していた田んぼだけしか認められず、野菜を植えていた畑には除塩事業は行われませんでした。ところが、これが結果的に良かったんです! 災害に遭った野菜畑を国とかをあてにしないで、何とか出来ないかと思ったのです。それに、この頃は不知火海沿岸の農家の中にはい草(畳の原料)の価格下落による借金苦と高潮被害のダブルショックの為に自殺する人がいるという噂もありました。家族の事や、これから先の事を考えると眠れない日々が続きました。だけど、私は農業が好きです!もう一回、農業をやり直してみよう!と思いました。そうすると今まで見えなかったものが、見えてくるようになりました。自分の農地がだめでも、貸してもらえる農地がありました。機械だって、修理すれば使えるものもあるかもしれないし、残った機械で何とか作ってみよう!そんな時、それまでほったらかしにしていた被害に遭ったキャベツ畑を見てみるとぽつり、ぽつりと何か緑色のものが生えている。何だこりゃ?と見てみると何とキャベツでした。高潮に遭ったのに、塩水に浸かったのに、ほんの何本かだけど生き残っていたのです。すごい生命力だと思いました! なんとかキャベツが出来るかもしれない!と思ったのはその時でした。大自然がキャベツを作れと言っているように思いました。駄目で元々です。翌年の平成12年の7月末から、キャベツの種まきを始めました。11月から翌年5月頃までの収穫計画に合わせて、7月下旬から9月上旬まで、段々に種を蒔いて行きます。1ヶ月後の8月下旬からは定植が始まります。キャベツが出来るかも知れないと言う期待はあるにしても、順調な生育をするかどうかは植えてみないと分かりませんでした。土壌分析も何回もしました。塩分数値は相変わらず高い状態でした。味はどうなのか?塩辛くて食べられないのじゃないだろうか? 不安はありました。だけど、これしかないと思いながら栽培をはじめました。キャベツ畑と言っても、水田の裏作です。植える準備の為の畝作りを始めたら、おかしい?土が今までのように乾かないのです。塩分のせいです。キャベツは畑の作物ですから土の乾きが悪いと生育が悪くなります。病気も出やすいです。益々不安になります。だけど、植えてみるしかありません。 植えてみると意外と大丈夫でした。苗の生育も順調でした。案ずるより産むが安しですが、味はどうなのでしょう?平成12年11月収穫期になりました。早速、何個か切って試食して見ました。 あれ?塩辛く無い!甘くて美味しい!旨味がある! 今まで作っていたキャベツとは、全然、味が違うのです。 巻きもしっかりしていてボリュウムがあり、食感も柔らかいけどシャキシャキしいている。 ともかく、食べた人達に評価してもらおう!と思いました。 高潮が運んでくれた海水の中にはたくさんの天然ミネラルが含まれていて、その大自然のミネラルが野菜本来の味を引き出して、今までに無い野菜ができたと思います。 高潮の被害に遭い、打ちのめされて駄目かな?と思いましたが結果的には、高潮の被害に遭った事で新しい野菜栽培に取り組む事ができるようになりました。 本当に、感謝です。有難うございます。これが、 大自然からの贈り物の話 真生ミネラルしおキャベツ(塩キャベツ)誕生の話です。 私が大自然から教えてもらった事は、大自然の力と働きを受けて、 作物を作りながら大自然の中で生かされているということでした。 真生ミネラルしお野菜は、大自然の恵みの野菜であり、大自然からの贈り物 後日談です。真生ミネラルしお野菜は、ミネラル分・塩分を吸収しますので畑 の塩分濃度は、やはり少しずつ少なくなっていきます。海水を入れれば、と思 いますが海水を入れてもだめです。弊社の畑は、塩害の後土を入れて頂けなか ったので、一番低いところにあり一般的に考えると条件は非常に悪いはずで す。ところが、その低いが為にミネラル分・塩分が湧いてくるのです。 あまり言うと企業秘密なので社長に怒られますからこのへんにしておきます。 というわけで、真生ミネラルしお野菜は、永遠に不滅です!! しお野菜部門 取締役 速水(はやみ)健郎 |
農業生産法人(有)大自然界真生農業進行 地図 服田(はらだ) 晩白柚果樹園 ・ 速水(はやみ) しお野菜農場
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